ここまでのパソコンを中心とした音楽制作には、プロ用途にはMacintoshやAmiga、ATARI(もっとも当時はそれ以上に専用シーケンサー機が広く使われていた)、DTMとしてはPC-98が主に使用されていた。
Windows 95の発売以降、パソコンがより実用的かつ簡単になり、安価に入手できるようになったのは言うまでもない。パソコンの普及は、もちろんメーカーにとってはDTM分野の顧客が増加することを意味する。ローランドのSCシリーズを同梱したパッケージ製品であるミュージ郎、ヤマハのMUシリーズを同梱したパッケージ製品であるHELLO!MUSIC!による販売競争が展開され、MS-DOS時代からMIDIコーナーを設置していたSofmap以外にも一般的なパソコン量販店でもDTMコーナーが設けられるようになる。同梱されたシーケンスソフトはCakewalk、Singer Song Writer、XGworks等が有名である。
パソコンの普及に伴ってインターネットも急速に広がり、オリジナル楽曲や既存曲のコピー/アレンジ楽曲のMIDIファイルをWebサイトでコンテンツとして配布することが多くなる。GM形式で配布されているデータもあったが、より多彩な表現を可能とする上位規格であるGSやXGの形式を採用する制作者も少なくなかった。この場合、結局聴く側も制作者と同じ規格のMIDI音源を持っている必要がある。ローランドのSCシリーズはSC-55時代から、DTM音源のデファクトスタンダードを確立しており、スムーズにこの時代に販売されていたSC-88、SC-88Proに移行が進み大ヒットし、DTM音源の代表的存在となった。SC-88、SC-88Proは1台の音源で多くのパートを演奏させるという形態にベストマッチした音色の調整など全体的な完成度が高く、現在でも愛用者は多い。この頃には、簡単なMIDI音源であれば一般的なパソコンのサウンドカードに内蔵したり、ソフトウェアでその機能を実現することができるようになったため、特にテレビゲームの楽曲を再現したデータを制作・公開したり探索・鑑賞するコミュニティが賑わった。
後発のXGは、音色エディット方法やエフェクトの細かな指定ができ、表情豊かなMIDIデータ作成可能という定評はあったものの、この時代でもGSに取って代わるまでのヒットはできなかった。しかし、MU80、MU100といったローランドのSC-88、SC-88Proの対抗馬としてリリースされた製品はそれら以上のスペックを持ち、現在でも愛用者が多い。ヤマハはシーケンサー専用機のQYシリーズや小室哲哉がプロデュースするワークステーションタイプのシンセサイザーEOSといったDTMが普及する以前からのヒット商品や、電子ピアノ、エレクトーンなどDTM以外の電子楽器をXGに対応させるモデルチェンジを行っていき、外堀を埋めていったことが、XGが一定の普及を見せた要因と考えられる。
また、コルグ社は96年にNS5RというGS、XG両方の音色配列を持つ音源モジュールを発表し、その後、それにヤマハ純正のXG音源ボードを搭載したNX5Rという機種を出したが、本格的にDTM市場に参入するのが遅かったことによるシェア獲得の失敗、そしてTRINITY、TRITONといったプロ用シンセサイザーのヒットによって早々とDTM市場から撤退する。
ブロードバンドの到来と音源、コンピュータの高性能化 [編集]
MIDIファイルがインターネットで多く配布されるようになったもう一つの要因として、音声データそのものと比較して圧倒的にデータ容量が少ないことが挙げられる。しかしインターネットのブロードバンド化が進んで大容量データを高速に送受信できるようになり、データ容量の差に対する感覚は徐々に解決されてゆく。
加えて、パソコンの高性能化によって手軽にオーディオデータが扱えるようになり、制作したデータの容量を圧縮するMP3などの圧縮フォーマットが広まったことで、MIDIファイル(つまり演奏情報)ではなく音声そのものを録音して公開するという選択肢が現実的になってきたのである。ブロードバンドの普及に伴ってMIDIファイルを配布するサイトが減少し、そのようなコンテンツを扱うコミュニティも人気が無くなっていく状態となった。音声ファイルを公開する場合、制作側と聴く側のMIDI環境を統一しなくても良いため、標準規格を持ついわゆるDTM向けの音源を必ずしも導入する必要は無い。このため、制作した楽曲を公開したいと考える制作者も前述のようなSCシリーズやMUシリーズ以外を選ぶことができるようになった。
このような流れを反映してか、メーカーの戦略にも変化が生じる。例えばSD-90等の近年のローランドのDTM音源は、MIDIだけでなくオーディオデータを扱えるという点を売りにするようになった。しかし、SD-90はかつてのデファクトスタンダードであったSC-88ProやSC-88VLに比べて普及しなかった。SDシリーズ最高峰のモデルSD-90、SD-80は最大同時発音数128音というSC-88Proの2倍の発音数を持ち、内蔵する波形データこそ違うものの、プロ用シンセサイザーと同等の音源エンジンを搭載していると言われているが、ここまでのスペックはユーザには逆に過剰と思われたのか、それとも、SD-90/80にはSC-88/SC-88Proと直接互換性のある音色モードが用意されていなかったせいか買い換えが進まず、SC-88ProやSC-88VLは現在でもなおMIDIデータ作成における標準的位置を占めている。
また、SD-90と同時期のヤマハのDTMフラッグシップモデルであるMU2000は、ユーザーが独自に音色を追加できるサンプリング機能をはじめとして、AN音源やVA音源といったDSPで発音する拡張音源ボードをオプションで取り付けることができる。しかしそれらの機能を全て発揮させようとすると、DTM音源で重要とされる、異機種間の演奏データの互換性が損なわれることになる。これはDTM音源の最高位モデルとプロ用のシンセサイザーモジュールとの垣根が曖昧になりつつあることの好例であるといえる。
ヤマハ社の音源モジュールはかつて非常にラインナップが多かったが、DTMにおけるフラッグシップモデルであったはずのMU2000は単体製品としての製造は完了し、プロ向けシンセサイザーモジュールMOTIF-RACK ESと、ディスプレイ無しのXG音源MU500という製品構成となっており、パワーユーザーにはシンセサイザーモジュールを、初心者には安価なDTM音源を、という選択肢になっている。
同様にローランド社もDTMにおけるフラッグシップモデルであるSD-90/80の生産は完了し、ディスプレイなしのSD-20のみのラインナップとなり、プロ向けにシンセサイザーモジュールFantom XRを発売している。
1998年にはGS、XGのお互いの規格のGMからの拡張部分を統一したフォーマットとしてGM2が制定されたが、ブロードバンドの普及によってMP3などの圧縮音声ファイルフォーマットによる配信が一般化したこともあり、普及には至っていない。
また、ヤマハのXG音源の一つMU2000EXでは正式にGSをサポートし、さらにローランドのGS音源の一つSD-90も正式にXGLite(XGの簡易フォーマット)をサポートするなど、2つのライバル会社間の異なる規格がさらに歩み寄りを見せた。
DTMのこれから [編集]
一般的なパソコンでもハードディスクレコーディングが可能な性能に追いつき、初心者向けシーケンスソフトでもMIDIだけでなくオーディオを扱うことができるものが多くなって来ている。しかも、ソフトウェア上で高性能なシンセサイザーやエフェクター等をもシミュレート可能になったことで、パソコンとソフトのみでも品質の良い楽曲を制作できるようになる。然るべき機材を用意すれば、演奏を録音したりそれを任意に編集したりといった、一昔前では高価な機材やソフトがなければ行えなかったような作業もある程度可能になった。
かつてはMIDIおよびMIDIファイルがDTMの中心であったが、「DTM」を意識する必要が無くなってきたことから、CubaseやDigital Performer、Logic等のDAW(これらのソフトも元をただせばATARIやMac上のMIDIシーケンサーソフトにオーディオ処理機能を追加したものではあるが)を選択する制作者も増加し、プロ向けソフトを作ってきたメーカー側も初心者を取り込むための戦略を打ち出している傾向にある。
また、前述のブロードバンドの普及やMP3などの音声データ圧縮技術の普及、およびDTM音源のもつ役割の変化などといった理由により、DTMユーザーにはSCシリーズやMUシリーズ以外の選択肢ができるようになったため、プロ用として設計・製造されたシンセサイザーのモデルチェンジの速さは以前と変わらないにもかかわらず、一方のDTM音源は各社が競って出していた93年から97年頃に比べモデルチェンジは鈍化しており、4〜5年前に発表されたモデルが現行機種であるケースが多く見受けられる。
ヤマハのXG SOUND WORLDが2001年をもって終了し、以前はDTMコーナーを置いていた家電量販店ではそのスペースがPC用スピーカーのコーナーにリニューアルされるなど90年代中頃に比べれば、ブームとしてのDTMは一旦収束した。
しかし2007年に初音ミクが発売され、動画投稿サイトを中心にVOCALOIDブームが起こる。こうした現象をDTMブームの再来と呼ぶ向きもある。
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また、通信カラオケや携帯電話の着メロ音源としてDTM音源の規格が利用されているといった形で日常生活にとけ込み、これらの環境は社会のインフラとして定着したとも言える。